学校から帰ると、
いつもの様に、暗いリビングの中で、
テレビを見ている母がいました。
『良かった、死んでない。』
母
『おかえり。』
僕
『ただいま。ご飯ちゃんと食べた?
大丈夫?』
母
『食べたよ。
大丈夫。ごめんね、色々心配かけて。』
僕
『ううん、大丈夫だよ。
鬱はそういう気持ちになっちゃうみたいだからね。
でもね、今を心配したり、この先を心配したりする様になったのは、
いい方向になって向かってるんだってよ。
今までは今のことも、これからのことも考えられなかったもんね。
元気になる方向に一歩近づいたじゃん。』
母
『そうなの。。。』
僕
『とりあえず、明日の心療内科は一緒に行くからね。』
母
『迷惑かけてごめんね。』
僕
『迷惑じゃないよ。』
そんな会話しながら、
僕は夕飯を軽く済ませ、
また、深夜2時頃まで話しをするのでした。
翌日、心療内科は予約が夕方からなので、
その日は学校を休むことにしました。
心療内科に行くと、予約をしているにもかかわらず、
相変わらず、
診療待ちの人が何人も待っています。
この世はどんだけ心を病んでいる人がいるんだか。
なんて、世の中なんでしょ。
30分以上待たされて、ようやく
診療の順番が回ってきました。
先生
『最近のお母様のご様子はいかがですか?』
僕
『実は、ここ最近、自殺願望というか、
あの世に行きたいみたいなんです。
僕は、夕方までは母と一緒にいられるのですけど、
そのあとは夜中まで学校で、
母一人になってしまうんですよね。
どうしたら良いかと思いまして。』
先生
『ああ、そうなんですね。
どうして、死にたいと思ったのですか?』
と、母に尋ねると、
母は、
・今も、これからも辛いことしかない。
・ロビン・ウィリアムズもあの世に行って、羨ましいと思った。
・この先、辛いことばかりなら、あの世に行った方が、楽(ラク)なのではないかと思った。
・どうすれば、苦しまないで死ねるか考えてしまう。
と、以上の様な事を言ってました。
すると、先生が、
『あの世がこの世より、良いんですかね?
もし、あの世がこの世より、苦しかったり、
辛かったりしたら、どうします?
今生きている人たちは、あの世にはいないから、
誰も分かりませんよ、あの世が良い所かどうか。』
母
『そうですよね・・・
でも、よくテレビとかで、そういう話があるじゃないですか。
あの世は、この世よりも良い場所だって。
臨死体験の人とかの話し。』
先生
『でも、臨死体験した人たちは、今、この世で生きてますよね?
なぜでしょう?』
母
『・・・。』
先生
『そんなに深く考えないで良いですよ。
まだまだ、あなたには休息が必要です。
大丈夫です。よく休む様にしましょう。』
母
『はい・・・。』
先生
『新しいお薬を処方しておきます。
不安などを取り除くお薬です。
筋肉を緩めて、催眠作用もありますから、
眠い時は、眠ってしまってくださいね。』
母
『分かりました。』
先生
『先のことを考え始めたことは、
回復してきている証拠ですよ。
ゆっくり休む様にしてください。
また、予約は来週の木曜日で良いですかね?
薬を飲んで、どんな具合か、僕に教えてください。』
母
『あ、はい。大丈夫です。
よろしくお願いします。』
そして、先生が僕に
『もし、お母様に何かあれば、
またご一緒に来てもらって良いですか。』
僕
『あ、はい。
分かりました。』
という具合で、診察は終了しました。
やはり、母は回復して来ている様です。
良かったことは、良かったのですが、
『本当に薬を飲んで、自殺願望は消えるのか??』
なんて疑いつつ、母と僕は家へ帰るのでした。
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